ラインハルトに手をとられて、自然にダンスのポーズになる。
【ラインハルト】「基本は知ってるんだよね?」
【クルト】「うん。一応は習ったから」
【ラインハルト】「じゃあ、もっと体の力を抜いて、腕を楽にして、僕についておいで」
なんてラインハルトがにっこり笑ってゆっくりとステップを踏んだ瞬間――――。
【クルト】「嘘……」
ダンスになってた。
僕、ラインハルトについていっただけなのに。
【ラインハルト】「ダンスはね、最初のポジションと基本の体の動きがきちんとできていれば、後は自然に体が動くように作られているんだよ」
【クルト】「そう?」
せっかくラインハルトが説明してくれたのに、素っ気ない返事になっちゃったのは、
ステップを思い出すのに必死で、余裕なんてなかったから。
そんな僕だけど、なんでだろう?
お姉ちゃんやステランに教えてもらった時なんかに比べると、すいすい踊れちゃう。
だって、ラインハルト、すごいうまいんだ。
ラインハルトに任せていたら、このステップの後はどんな動きだっけなんて考えるより前に、自然に次の動きに移っちゃってる。
こんなに自然に踊れたのなんて初めて☆
【クルト】「なんだか僕までうまくなったみたい」
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