【クルト】
「んっ…待って…こんなの…無理」
耳元でピチャピチャミルクを舐めてるみたいな音がしてる。
そんな音にもゾクゾクしちゃって、ギュッとヴィントの服を握り締めた。
だって、そうでもしないともう立ってられないから。
【ヴィント】
「待てねぇよ」
そしたら、ヴィントがそんな僕の体を壁に押し付けて、ささやいてきた。
濡れた耳に降ってくる動物みたいな荒い息遣いがやけに熱くて、このまま食べらちゃいそう……。
そんな予感にふるっと体が震えた。
【クルト】
「あっ…はぁ…」
【ヴィント】
「待てねぇよ…世界なんて一瞬で変わっちまうんだから…待てるわけねぇよ」
言葉どおりに、クチュクチュと音を立ててヴィントの大きな手がさっきより強く上下する。
目の前が真っ白になっちゃいそうに気持ちいいけど、チクンと小さなトゲが刺さる。
【クルト】
「んっ…そんなこと…言わないで……」
本当のことを知っちゃったから、今なら本当の意味がわかっちゃうよ。
|