【ステラン】
「…………ない」
その水の音が、低くつぶやいたステランの声をかき消しちゃった。
【クルト】
「えっ?」
もう知らないって思ってたのに、思わず聞き返してる僕。
【ステラン】
「なぜ、わかって下さらないのですか?」
【クルト】
「えっ……?」
僕、言い過ぎちゃったのかな……。
ステラン、僕のこと、怒ったみたいな顔で見下ろしてる。
怖い顔だった。
そのまま僕の前に膝をついて、僕を見つめてくる。
【クルト】
「ステラン……?」
【クルト】
「んっ……」
えっ……僕、キスされてる……。
なんで? 怒ってたんじゃなかったの?
【クルト】
「んっ…ぁ…ステ……んんっ……」
戸惑ってる間に、ステランの手が、僕の服にかかる。
器用な手だった。
僕の体をお風呂に押し付けたまま、濡れて張り付く僕の服を、簡単にずり下げてく。
【クルト】
「んんっ……!」
その手が、僕の胸を撫で始めて、僕は思わずビクンと体を震わせた。
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