【シュウイチ】
「それと、もう1つクルトが教えてくれたことがある」
【クルト】
「えっ?」
僕が教えたこと?
そんなことに心当たりなんて全然なかった。
【シュウイチ】
「ゾッとすると言いながら、心のどこかで、ずっとしてみたいと思っていた。それも、どういうわけか同性に……」
【クルト】
「えっ…あっ……」
急に近付いてきたシュウイチの顔。
驚いて目を閉じた瞬間――――。
カツン……。
かすかに歯のぶつかる音がして、僕の唇とシュウイチの唇が重なってた。
これって……もしかして、キス?
そう気付いたら、ものすごくドキドキしてきた。
でも、全然嫌じゃなかった。
【シュウイチ】
「嫌なら…突き飛ばしてくれないか」
少しだけ唇を離して聞いてきたシュウイチに、僕は即座に首を振った。
【クルト】
「別にいいよ、シュウイチなら……」
どうしてかなんて理由はわからないけど。
【シュウイチ】
「よかった」
優しく笑って目を閉じるシュウイチ。
だから、僕も目を閉じて続きを待つ。
【クルト】
「んっ……」
さっきより少しだけ深くなったキス。
今度は歯のぶつかる音はしなくて、代わりにシュウイチの柔らかな舌が、こわごわ僕の唇に触れてくる。
僕もこわごわシュウイチの方に舌を伸ばしてみた。
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