天の助けだっ!
ほっとして僕は、声のした方を向いた。
【キヨハル】
「天下の往来で、何してるんだ?」
【クルト】
「……わぁ」
【キャンディ】
「メェ〜」
思わず声が出てしまった。
きれいで、かっこ良くて……。
シブイ! って言うのかな? お日様の光に照らされて、ふわりと着たキモノが華やかで……。
【悪党1】
「誰だよテメェは! 邪魔すると斬るぞっ」
わわっ!?
大変だ! 僕は助かったけど、今度は僕のせいであの人に危険がっ!
【クルト】
「ま! 待って、けんかは……!」
って、慌てて止めに入ったんだけど……。
【キヨハル】
「ほう、威勢がいいな。だが、お前さんたちは俺の顔、見忘れたか?」
……えっ? なんで? ものすごい余裕の表情してるよ。
だって、にやりと笑って、悪人をにらみつけてるんだもん。
【悪党1】
「顔だ? そんな生意気面……えっ? い、いや、そんなはずは……まさか……」
【悪党2】
「い、いやいや! あのお方がこんなところにいるわけがねぇ! 名をかたるペテン師だっ! こいつもやっちまえっ!」
【クルト】
「わぁぁあーっ! 駄目ーっ!」
男たちが一斉に、助けてくれた人へ飛びかかる。
僕が止めようと、バタバタ手を伸ばしたその時。
ドガッ、バキッ! ドガッ!
【クルト】
「え……っ?」
跳ね返される勢いで、男たちが次々と地面に転がる。
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